まつもと ゆき
デジタル水彩の「水はね」ブラシを使用した彩色と、スポンジを使って影を削るちょっと変わったテクニックをご紹介します。
まつもと ゆき 絵本系イラストレーターです。 HP * http://nekobooks.com/ |
Abstract :
スキャナで取り込んだ線画を修正し、単色でべた塗りします。
全体の配色を決め、後の作業で使用する選択領域やガイド用の線画レイヤーも作成します。
今回の下絵はコピー用紙にペンで描いたものをスキャナで取り込みました。A4で400dpi、4000px * 2700px程度のイメージです。
線画はモノクロでスキャンするか、スキャン後にモノクロ二階調化しておきます。
ペン画とスキャンが完璧ならこれで問題ないのですが、実際には所々線が切れたりはみ出したりしてしまっている箇所があるので修正しておきます。
特に、線が切れている所は要注意です。
線が1ドットでも切れていると下塗りする際に塗りがはみ出してしまいます。
切れている所を探して穴を塞いでいきます。
線の切れている所を目だけで探すのは大変なので、塗潰しツールで塗りながら探していきます。
塗りつぶしツール[K]を選択し、プロパティーバーの設定を図のように変更します。
適当な色を選択して、一カ所ずつ塗りつぶしをしていきます。
切れている所を見つけたらペン(1ドット)やカバーブラシ(幅広)といったエッジのぼけないブラシで穴を塞ぎます。
修正が一通り終わったら、下塗りに入ります。
塗潰しツールで好きな色を塗るだけです。
ここで決めた色が作品の全体的な配色になります。
簡単な作業ですが、納得いくまで組み合わせを試します。
今回は白い花を中心に、赤・橙・緑を加えてちょっと夏らしい色合いにしてみました。
彩色の準備をします。下塗りしたキャンバスを新しいレイヤーに複製します。
次回以降、この複製したレイヤーに彩色していきます。
キャンバスのべた塗りはSTEP3の影入れで使用するので、このまま残しておきます。
下塗りの色が強すぎると上から彩色する際に邪魔になるので全体的に色を明るくしておきます。
「効果」メニューから「色調を調整」[Cmd+Opt+A / Ctr+Alt+A]を使用します。
黒い主線も目立ちすぎるので消しておきます。マジックワンドツール[W]を使って黒い線の部分だけ全て選択します。
黒い主線の上でクリックして選択します。
主線が全て選択されました。
まずは薄い黄色で塗りつぶしたあと、それでも線の目立つ所を周辺の色で塗っていきます。
線の周囲の色をOpt+クリック(WindowsはAlt+クリック)で拾って、エアブラシ等で線を塗ります。
この作業の目的は線を目立たなくする事なので、正確に塗らなくても大丈夫です。
大体の主線が消えました。彩色レイヤーとしてはこれで良いのですが、あまりにも見づらいので別レイヤーに主線も置いておく事にします。
これで彩色の準備ができました。次回から実際にブラシを使って色を塗っていきます。