Abstract :
水彩で彩色したレイヤーの上に陰影を追加します。
焦げ茶色のレイヤーを乗算し、明るい色のブラシで描画する事で影を削り、ハイライトを浮き出させます。
陰影を描くためのレイヤーを追加します。
新規レイヤーを作成し、合成方法を乗算に変更します。
レイヤー全体を影の色で塗りつぶします。
少し変化を付けるため、単色ではなく黄色よりの茶色と赤よりの茶色でグラデーションにしてみました。
陰影レイヤーに明るい色のブラシで描画する事で乗せた陰を削っていきます。
最初に作ったべた塗りを利用して選択範囲を作り、陰影レイヤーに切り替えて描く事ではみ出さずに削ることができます。
この「キャンバスで選択範囲を作成→陰影レイヤーで描画」を繰り返して、全体を削り出していきます。
削り出しに使うブラシは明るい色で塗れれば何でも良いのですが、私は「スポンジ」を2種類と「鉛筆」を使っています。
このブラシを組み合わせて質感や明暗を描いていきます。
色引きウェットスポンジで大まかに削った後、鉛筆で細かい線を入れる事で密度を上げ、最後にウェットスポンジでハイライトを飛ばします。
うっかり全部削ってしまうと影を乗せた意味が無くなってしまうので注意して進めましょう。
テクスチャは質感に合わせて何種類かを組み合わせます。
今回は主に下の4種類を使っています。
彩色の段階ではのっぺりしていた髪の毛も削り出しの中で細かく描き込んでいきます。
基本的な書き方は上で説明した手順と一緒です。
まず色引きウェットスポンジのサイズを小さくして、大まかな毛の流れを描いてみます。
テクスチャはシンプルな「古い舗装路」に変更しました。
次に鉛筆で髪の毛を一本ずつ描き込んでいきます。
最後にウェットスポンジで明るい部分を一気に飛ばします。
髪の毛を全て削り出した状態です。エッジががたがたしていて少々気になりますが、後で修正する事にして次へ進みます。
テクスチャを荒目のものに戻して、魚を描きます。
途中までざっくりと削ってしまいましたが、面積の割に何も柄がないのは少々物足りないのでうろこを書き加える事にします。
髪の毛を描いたときと同様、細いスポンジでうろこを一枚ずつ描き込みます。
飛んでいる水滴も同じように削り出してみました。
上下を強く削ることでいくらか水滴らしくなりましたが、上側にはもう少しシャープに光を入れてみたいと思います。
なげなわ選択ツール[L]を選択します。
Optionキー(Windows : Altキー)を押した状態で水滴の下側をぐるっと選択します。
囲んだ部分が選択範囲から外れました。
この状態でウェットスポンジで軽くなぞって水滴の上側をさらに明るく削ります。
ここまでで全体の陰影が付きましたが、主線が残ってしまっています。
これも同様に削り出して消してしまいます。
ちなみに、ガイド用の主線レイヤーももう不要なのでこのタイミングで消してしまいます。
ここまでと同様、キャンバスを選択し、マジックワンドで主線を選択します。
このまま削り出しても良いのですが、選択範囲の点線が邪魔なので一旦別レイヤーに分割して作業します。
レイヤーパレットの「透明度の保護」をONにしておく事ではみ出さずに主線部分だけに描く事ができます。
作業が終わったら、分割した陰影レイヤーを結合し、再度「乗算」に設定しておきます。
ここまでで削り出しのステップは完了です。最終段階、仕上げに進みましょう。