Corel Painterでは、写真からインクの盛り上げながら描いたような油彩風の作品にすることもできます。
ただ、自動ペインティングでは、インクを盛り上げることはできても、細部の立体感までを描き出すことは難しいので、ここでは写真のクローンに直接ドラッグして、立体感を描き出して表現していきます。
手動とはいえ、キャンバスをなぞるだけなので、とても油彩風のが描けますし、描いた後からも簡単にメリハリ感を出すことができます。
絵の元となる写真を開き、[ウィンドウ]メニュー→[下塗りペインティング]パレットを開きます。
写真からクローンを作成するための下地のような効果を設定します。
ここでは[フォトエンハンス]の[コントラスト]と[彩度]を「15%」に、[エッジ効果]を[ギザギザ]に設定して、[クイッククローン]をクリックします。
山を描くためのブラシを設定します。ここでは[油彩]ブラシカテゴリの[厚塗り油彩ブリスル10]を選んでいます。
ブラシを選んだら、[カラー]パレットの[クローンカラー]をクリックして、クローンから色を取り込みながら描く方法を有効にしておきます。
クローンのキャンバスをドラッグすると、写真の色を元にして色が塗られていきます。
まずは遠方の山の部分を、頂上から裾に向けてドラッグして描き出していきます。
[トレーシングペーパーのオン/オフ]をクリックします。すると下絵の表示が消えて、塗られた部分だけの表示に切り替わります。
インクが盛り上げられたような効果が加わっているのが確認できます。もし盛り上がって見えないときには、[インパスト効果のオン/オフ]をクリックして、有効にします。
[トレーシングペーパーのオン/オフ]を切り替えながら、山裾を描き、岩の部分を置くの方から手前へと描き出していきます。
手前の岩を描く前にブラシのサイズを少し大きめにします。ここでは[厚塗り油彩ブリスル30]に変更して描いています。
山と岩を大まかに描きましたら、再びブラシのサイズを少し小さく設定して、インクを重ねて盛り上げていきます。
山の盛り上がりを少し小さくします。山は遠方にあるので、凹凸感を控えめに修正します。
[インパスト]ブラシカテゴリの[厚みならし]を選びます。ペンタブレットの筆圧を小さめにして、山肌をサッと軽くなでるようにして、凹凸をなだらかにします。
空の部分を描きます。
[油彩]ブラシカテゴリの[油彩ブリスル30]で、クローンカラーを有効にした状態で空をドラッグして描きます。白い煙の部分は、クローンカラーを無効にして、カラーを「白色」に設定して色を重ねています。仕上げに[ブレンド]ブラシカテゴリの[粗め色伸ばし]ブラシバリアントで、空の色を伸ばしながらなじませて完成です。
All About 【CG・画像加工】ガイド・土屋徳子
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