Painter 11で写真を使って絵を描こう <Vol.2>

手描き風に見せるひと工夫

Corel Painter 11には「自動ペインティング」という、写真を使って簡単に絵画を作成する機能があります。ブラシやストロークを選んで再生するだけで、手の込んだタッチの絵画ができあがります。大変便利なのですが、ただし絵によっては単調な作品になってしまうことがります。
そこで、ここでは自動ペインティングにちょっとだけ手を加えます。見せたい部分とそれ以外のタッチを替えて、簡単に手描き風に見せる方法をご紹介します。


写真からクイッククローンを作る

絵の元となる写真を開きます。ここでは横800×縦600ピクセルの写真を使用しています。この写真からクローンを作成するための下地のような効果を設定します。


Painter 11に絵の元となる写真を開いた状態です

ここでは[下塗りペインティング]パレットの[フォトエンハンス]で[彩度を上げる]を選び、[エッジ効果]で、[円形]を選んでいます。


下塗り効果を設定中の元となる写真のプレビューです

[クイッククローン]をクリックします。


効果を加えたクローンができあがりました

絵の中央を自動ペインティングする

まずは料理の部分を自動ペインティングします。[楕円形選択ツール]を選び、小鉢の中央をドラッグして楕円形で囲みます。

この楕円形の選択境界をぼかします。[選択]メニュー→[選択ぼかし]を選び、ダイアログボックスの[ぼかし幅]を、ここでは「30ピクセル」に設定して、[OK]をクリックします。これにより、目では確認できませんが、選択範囲にぼかしが加わっています。

自動ペインティングするブラシを選びます。ここでは[アクリル]ブラシカテゴリの[ドライブラシ10]を選んでいます。
[カラー]パレットの[クローンカラー]をクリックして、クローンから色を取り込みながら描く方法を有効にしておきます。クローンカラーを有効にすると、カラーホイールがモノトーン表示に切り替わりますので、目安にすると良いですね。


クローンカラーが有効になった状態です

[自動ペインティング]パレットで、ストロークを選びます。ここでは[C曲線]を選んでいます。ほかにもいろいろなストロークが用意されていますので、試してみてください。


[自動ペインティング]パレット

[再生]をクリックすると同時に、自動ペインティングが始まります。キャンバスの大きさや、マシンのスペックによって描画の速度が異なります。ある程度選択範囲内がペイントされた[トレーシングペーパーのオン/オフ]をクリックします。すると下絵の表示が消えて、ペイントされた部分だけの表示に切り替わります。

[トレーシングペーパーのオン/オフ]をクリックします。すると下絵の表示が消えて、ペイントされた部分だけの表示に切り替わります。


下絵が非表示になりました

空白の部分が残る場合は、もう一度[再生]をクリックして[停止]をクリックします。これを繰り返してまんべんなく描き重ねていきます。

小鉢の周りをざっくりペインティング

今度は小鉢の周りを、少し大きめのブラシで自動ペインティングします。
[選択]メニュー→[選択範囲の反転]を選びます。ブラシを[ドライブラシ30]に変更して、[再生]をクリックします。ざっくりと周囲が塗られ空白の部分が残る場合は、もう一度[再生]をクリックして[停止]をクリックします。これを繰り返してまんべんなく描き重ねていきます。たところで[停止]をクリックします。


周囲はやや粗めにペイントして停止しておきます

[選択]メニュー→[選択解除]を選びます。

このままで完成でもいいのですが、料理の色が地味なので、仕上げにブラシで鮮やかにします。
ブラシカテゴリを[フォト]に切り替えて、[彩度追加]ブラシバリアントを選びます。

[カラー]パレットの[クローンカラー]を解除して、色を自分で選んで描き重ねる方法に切り替えます。

料理の部分をドラッグすると、その部分の色が鮮やかになります。
必要に応じて[シャープ]ブラシバリアントで見せたい部分をよりくっきり見せることもできます。


料理の部分がより鮮やかにくっきりと仕上がりました

[墨絵]ブラシで絵手紙風に文字を描き加えて、できあがりです。


[墨絵]ブラシで絵手紙風に文字を描き加えて、できあがりです


All About 【CG・画像加工】ガイド・土屋徳子
http://allabout.co.jp/gm/gt/43/

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